研究課題/領域番号 |
21K10327
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小比賀 美香子 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (00610924)
|
研究分担者 |
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50392345)
松本 洋 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (20423329)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ビジュアルアート教育 / 気づき / 対話 / 内省 |
研究開始時の研究の概要 |
医学はサイエンスとアートから成るとされるが、患者の人間的側面が軽視されやすくなったことへの反省から、アート分野の教育として、欧米中心に医学教育に「ビジュアルアート教育」が導入されている。本研究では、「ビジュアルアート教育」を受けた医学生に対するアンケート、フォーカス・グループの結果をもとに、「ビジュアルアート教育」の教育効果について、経時的に、量的および質的研究手法にて明らかにする。研究方法は「ビジュアルアート教育の実施」「事前・事後・追跡調査(データ採取)」「データ解析」の3段階から成る。「ビジュアルアート教育」の教育的意義を明らかにし、人間的側面を重視した医学教育に繋がることが期待される。
|
研究実績の概要 |
我々は、様々な気づき、自己省察、深く考える力を育むため、本邦初であるビジュアルアート教室「1)デッサン、2)美術館ワーク(対話型鑑賞)、3)アートプレゼンテーション の3部門」を700名以上の臨床実習中の医学生に実施してきた。このうち、「アートプレゼンテーション」では、以下の課題を学生に与えた。 ・過去の経験や今後の自己姿勢を反映する作品等を選択し、選択作品と選択理由を含めた感想文を実習中に提出する。 ・実習最終日に、作品をプレゼンテーションしグループ内で対話する。 ・アートは、絵画、写真、彫刻、詩、小説、歌詞、近代アート、自作アートなど何でも構わない。 医学部生113名( 4 ~ 5 年生)を対象とした、アートプレゼンテーションの選択作品は、医学医療に関係あるもの12(10.1%)、関係ないもの101(89.9%)で、絵画72、詩や詞、聖書などの文字11、写真 7、彫刻彫像 6、風刺画 5、その他現代アートやアニメなどが12と非常に多岐に渡っていた。内容としては、生き方に関するもの68、医師の姿勢13、死生観 6 、その他として社会問題、表現方法、美しさ、欲など、様々なテーマが26であった.アンケート結果からは、「プレゼンを通じた内観」「他者の考えの共有」「対話することについて」「これからの姿勢」「医療に対する姿勢」に関する気づきが得られていた。 ビジュアルアート教育の中で、デッサン、美術館ワークにプアートプレゼンテーションを加えたことで、今までの人生や経験、今考えていることや大切にしていることなどを内省し、さらに他者と対話することで、多様な視点や新たな深い気づきが生まれることが示唆された。
|