研究課題/領域番号 |
21K10656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2022) 宮崎大学 (2021) |
研究代表者 |
末次 典恵 福岡大学, 医学部, 教授 (60363355)
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研究分担者 |
鶴田 来美 宮崎大学, 医学部, 教授 (30258983)
吉永 砂織 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50560596)
久保 江里 宮崎大学, 医学部, 助教 (60825355)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 看護教材開発 / 宮崎県の地域特性 / シミュレーション教育 / 教材管理システム / ICT / 地域包括ケア / 看護リカレント教育 / 電子教材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ウィズコロナ時代に一般的となったICT(情報通信技術)を用いた教育方法を活用し、宮崎県をモデルケースとして、地域包括ケアを支える看護職者の看護判断および看護実践能力の育成・強化のための看護リカレント教育プログラムを開発する。大学と地域の臨床施設の看護連携により、看護教育の統合化を図ることができ、多様化する看護の対象や宮崎県における地域の生活や療養の場に応じた看護教材が作成できる。この看護リカレント教育プログラムを看護学生を対象とした看護基礎教育のみならず、看護職のキャリアアップやギアチェンジ、潜在看護職の復職支援に活用し、その有用性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、コロナ禍を機に普及が進んだICTによるオンライン教育を活用して、宮崎県の地域包括ケアシステムを支える看護職者の看護判断と看護実践能力の育成・強化を目指した看護リカレント教育プログラムの開発を目的としている。今年度は、前年度に作成した教材コンテンツを更に充実させ、人工膝関節置換術を受ける患者の入院前の生活の様子から手術後にかけての状況を説明する文章、身体状況の経過表、生活動作の動画、患者が生活する居住地の地域特性情報を追加した。教材は、看護の対象者である患者の年齢や身体や心の発達段階、対象者が居住地域で活用可能な医療・福祉システムの知識をふまえ、「患者は地域で暮らす生活者である」ことを具体的にイメージできるように、疾患が日常生活に及ぼす影響を詳細に設定し、動画を含めた情報を盛り込み、構成した。宮崎県の看護学生を対象に、これらの教材を用いて、手術を受ける患者の看護を学ぶ授業において、「術後の観察とリハビリテーションに関する看護判断」、「高齢患者への浣腸の実施」の2つの異なるテーマで、シミュレーション学習を展開した。シミュレーション学習後の学習評価では、術後患者の看護では、手術侵襲の影響のみでなく、入院前や退院後の患者の「普段の生活の様子」や「趣味」にも視点を向けた対象理解が必要であること、「浣腸」では、高齢者の身体の動きを考慮した技術の実施が安全にを確保することに繋がることをイメージできていたことが伺えた。本成果は看護学教育学会学術集会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、教育管理システムを構築し、これまでに作成してきた教材をアップロードして、2023年1月よりシステムの運用を開始し、システムを使用し学習を行ったプレテストを実施した。その評価として、学生は戸惑うことなく、システムを使うことができており、①情報が整理されていて見やすい。分かりやすい。自分のペースで情報収集ができ、便利である。②患者情報や対象者の居住地域の取り組みの詳しい情報が画像で確認できるので、対象者の居住地の風景、自宅周辺の道路等が想像しやすい。③動画があり、手術前の患者の状態のイメージができたので、紙面での事例紹介よりも分かりやすい。④病棟のカルテと同じようなつくりで実習を想定して取り組める。⑤今までは動画で情報収集をしていたため、聞き逃しがあり、患者の表情や反応を見過ごしていたが、今回は見返すこともできてよいという反応が見られている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、教材管理と動画配信・管理機能からなるオンライン教育管理システムを構築し、システムの運用を開始した。本システムは、教員が学習目的に応じて教材の必要箇所を選択して使用できる。また、学習者は、必要な情報を選択的に収集できる。今後は、教材のデータベースの蓄積を進め、本システムを学生教育および現任教育に活用し、教育評価とシステム活用評価を行う。
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