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液晶乱流構造とレオロジー特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K13894
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
研究機関九州大学 (2022-2023)
大分大学 (2021)

研究代表者

小林 史明  九州大学, 理学研究院, 助教 (30898101)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワードソフトマター物理学 / レオロジー / 非平衡系 / Quincke回転粒子 / 液晶 / アクティブマター / 複雑流体 / 流体物理学 / 非平衡物理学 / 液晶乱流 / 乱流 / 非平衡 / 負の粘性
研究開始時の研究の概要

これまでに本グループの研究により,4つのシッフ塩基系液晶に高い交流電場を印加して乱流状態にすると,見かけの粘度が負になる現象が確認されている.このような負の粘性は自発的な流れを生むことから,無機構モーターなど新規流体デバイスへの応用が期待される.しかし,負の粘性はシッフ塩基系液晶でのみ確認されると共に,その粘度の物性値依存性は未だ未知の部分が多い.そこで,本研究では様々な液晶を用いて,負の粘性の探索やその物性値依存性を調べる.

研究実績の概要

本年度は以前より進めていた液晶の電場下での流動特性の研究に加えてQuincke回転粒子系を対象とした研究を行った.また本年度はこのQuincke回転粒子分散系で興味深い研究結果が得られたためこちらの方に注力して研究を遂行した.Quincke回転粒子系は絶縁性の流体(過去のQuincke回転粒子系においては,絶縁油やヘキサデカン)にイオン性の界面活性剤(Sodium dioctylsulfosuccinate (AOT)を添加し導電性の液体を作成する.この液体に絶縁性の粒子(ポリスチレンもしくはPMMA)を分散させる.この分散系を2枚の電極に挟みおおよそkV/mmオーダーの電場を印可すると粒子が回転を始める.特に粒子が沈降して電極上を転がる場合はQuincke rollerと呼ばれている.過去のL. LobryとE. LemaireによるQuincke回転粒子分散系のレオロジー特性の研究に於いて興味深い結果が得られており,本研究はこの研究に触発されたものである.これまでの液晶のレオロジーとQuincke回転粒子分散系の両方で必要なレオメーター(回転粘度計)の改造を一通り終えており,試験的にQuincke回転粒子系で実際に電場を印可しつつレオロジー測定を行った.その結果,見かけの粘度が電場強度が大きくなるにつれて一度増加した後に減少する結果が得られた.見かけの粘度は最終的に直流電場下においてゼロになる結果が得られた.現在,印可電場を複雑に変調した場合に見かけの粘度が負になるとともに,流体が自発的に流れ出す結果も部分的に得られている.今後は液晶のレオロジーの研究に合わせてQuincke回転粒子系での研究を行いたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度より本格的にレオメーターの改造を行い基本的なレオロジー及び電場を印可しながらのレオロジー測定も可能となった.加えて,レオメーターの下部のステージの設計を改良することで,直径60 mmの円径の領域においてサンプルの状態を観察出来るようになった.しかしながら現在,顕微鏡によるサンプルの直接観察ではおおよそ1×1 mmの領域でしか観察出来ない.現在,より多くの情報を得るために光学系を改良しサンプル全体を観察すること計画している.またレオロジーの測定において分散する粒子の粒径などの選択やサンプルの作成工程の確立に時間が掛かってしまった.今後はここまでのステップを踏まえ,本格的なレオロジー測定並びに顕微鏡によるサンプルの内部の情報の取得を行う.

今後の研究の推進方策

今後の研究対象としては,これまでの液晶系に加えてQuincke回転粒子系を対象として研究を行う.測定は主に2枚の電極にサンプルを挟んだセルによる実験とレオメーターによるレオロジー測定+顕微鏡による観察を行う.生物系を用いたセルに於ける実験は幾何学的に流体を閉じ込めることで渦の秩序的な配列など閉じ込めに効果による新しい現象の発現が報告されている.そこで,本研究においても,リソグラフィを用いたマイクロ流路の作成を行い期待されつ新規現象の観測を行いたい.また,Quincke回転粒子分散系における界面活性剤の濃度や粒子の粒径,体積分率依存性など調べつくされていない部分があるため,これらのパラメーター依存性も見ていきたい.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] クインケ粒子の構造形成と レオロジー2024

    • 著者名/発表者名
      河野太一,井出健一郎,齊藤圭太,小林史明,木村康之
    • 学会等名
      日本物理学会2024年春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Rheology of a suspension of particles subjected to Quincke rotation2023

    • 著者名/発表者名
      F. Kobayashi, K. Ide, T. Nagaya, Y. Kimura
    • 学会等名
      The 7th International Soft Matter Conference (ISMC 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Search for Negative Viscosity of various liquid crystal materials in the presence of turbulence induced by an electric field2022

    • 著者名/発表者名
      F. Kobayashi; S. Ujiie; H. Orihara; T. Nagaya
    • 学会等名
      28th International Liquid Crystal Conference (ILCC2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 種々の液晶での液晶乱流による負の粘性の探索2022

    • 著者名/発表者名
      小林史明,氏家誠司,折原宏,長屋智之
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会(2022年)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Search for Negative Viscosity induced by liquid crystal turbulence in various liquid crystal materials2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Fumiaki, Seiji, Ujiie, Hiroshi Orihara and Tomoyuki Nagaya
    • 学会等名
      28th International Liquid Crystal Conference
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 液晶乱流中における巨視的自発流れの発生Ⅰ2021

    • 著者名/発表者名
      武田純,芳原晃旗,佐々木裕司,小林史明,長屋智之,折原 宏
    • 学会等名
      第 69 回レオロジー討論会プログラム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 乱流中における巨視的自発流れの発生Ⅱ2021

    • 著者名/発表者名
      芳原晃旗,武田純,佐々木裕司,小林史明,長屋智之,折原 宏
    • 学会等名
      第 69 回レオロジー討論会プログラム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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