研究課題/領域番号 |
21K15282
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
Eldesoky Ahmed 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特別研究員 (10874521)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 骨粗鬆症治療薬 / 天然資源 / 探索 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は骨量が減少し骨折の危険性が増大する疾患で、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスが崩れた結果、骨吸収が亢進することが原因とされている。骨吸収を司る破骨細胞は、単球・マクロファージ系細胞が分化して破骨前駆細胞となり、さらに細胞融合して多核化することにより形成される。2013年にRANKLのモノクローナル抗体医薬であるデノスマブが承認されたが、デノスマブが有効でない症例も存在するので、本研究でRANKLを標的とする低分子治療薬の開発を目指す。また、分化と細胞融合は、それぞれ別の機構で制御されていることが最近明らかになったので、細胞融合を標的とする化合物も探索する。
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研究成果の概要 |
骨粗鬆症の治療・予防薬のリード化合物を天然資源から探索した。真菌Aspergillus taichungensisの培養物から16種類の新規ジテルペンtaichuninを単離した。最も活性が強かったtaichunin Gは0.2 uMで多核化および細胞融合を92%阻害した。植物Artemisia judaicaから、天然物としては珍しいパーオキシドの架橋構造を有する新規テルペンarteperoxideを単離した。Stylotella属海綿から、塩素とカルバメイトを有する新規セスキテルペンを単離した。さらに、骨粗鬆症の予防・治療薬の探索に関して、海洋生物資源からの探索に注目した総説を執筆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における骨粗鬆症患者は1,300万人と推計されているが、急速な高齢化にともない患者数は増加の傾向にある。したがって、超高齢社会において健康寿命を延ばすためには、骨粗鬆症を予防・治療することが極めて重要である。骨粗鬆症の中でもステロイド性骨粗鬆症は、ステロイド薬の長期服用をきっかけとして発症し、全米の骨粗鬆症患者の約20%がステロイド薬の服用に起因するといわれている。しかし、ステロイド性骨粗鬆症に対しては、既存の治療薬は有効ではないため、新薬の開発が強く望まれている。以上の背景から、優れた治療薬あるいは予防薬を開発することは、超高齢社会を迎える日本社会にとっては喫緊の研究課題である。
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