研究課題/領域番号 |
21K15694
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 誠 名古屋大学, 医学部附属病院, 客員研究者 (10880875)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / レビー小体病 / prodromal症状 / DaT-SPECT / MIBG心筋シンチグラフィ / レム期睡眠行動異常症 / DaT SPECT / 早期診断 / 健康診断 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患では、発症前に病態を抑制することの重要性が指摘されています。一方、発症前に神経疾患のリスクを評価する簡便な方法が確立していないことが発症前の予防治療を困難にしています。我々は、健診受診者を対象としたレビー小体病の前触れ症状に関する調査により、アンケートによってレビー小体病のハイリスク者を抽出可能であることを明らかにしてきました。この研究では、健診受診者を対象としたアンケートの結果と採血などの健診結果を組み合わせ、機械学習を用いて解析することでより精度の高いスクリーニング法を開発します。
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研究成果の概要 |
健診受診者対するレビー小体病のprodromal症状に関する質問紙調査の結果、50歳以上の健診受診者の約8%が複数のprodromal症状を有するハイリスク者に該当した。ハイリスク者94名とローリスク者38名に対する精密検査の結果、DaT SPECTとMIBGのどちらか1つ以上で異常を有する者はハイリスク群で35名(37.2%)、ローリスク群で3名(7.9%)であり、ハイリスク者では神経症状発症前から体内の神経変性が進行していた。さらに、別の高齢健常者コホートで質問紙調査を実施(n=5263)した結果、70歳以降で自律神経障害、嗅覚低下の割合が増加し、約12%がハイリスクに該当していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究結果から、50歳以上の健常者の約8%が複数のprodromal症状を有するハイリスク者に該当し、ハイリスク者の37%がDaT-SPECTやMIBGなどの画像異常を有し、神経症状発症前から体内の神経変性が進行していることが明らかとなった。自覚症状のない者は病院を受診しないため、神経症状のないハイリスク者を通常診療で同定することは困難だが、健康診断制度と連携したレジストリを活用し、DaT-SPECTやMIBGなどの詳細な画像検査を実施することで、神経変性疾患・認知症の発症リスク評価が可能であることが示唆された。
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