研究課題/領域番号 |
21K19880
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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研究分担者 |
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 心音図 / 音響CT / 新型コロナウイルス / 肺 |
研究開始時の研究の概要 |
特別な設備・技術を要さずに安全・簡便に施行でき、かつX線CT検査に匹敵する局所病変検出能のある肺のイメージング手法は、新型コロナウイルス感染のみならず、高齢化社会における老健施設や在宅介護における誤嚥性肺炎の早期診断法としてもその適用範囲は広い。本研究では、心臓で発生した心音を体表に装着した多数の心音センサで同時受信し、逆問題の解法を適用することで、外部からの入力なしに肺内での音速分布を可視化する3次元音響CTを開発し、肺の局所病変が検出可能な計測技術を開発することを目的とする。本研究後には、センサ数の増減により3次元音響CTの高画質化あるいは在宅モニタリング等の臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
心臓を点音源とする心音が周囲の肺実質を通過し、体表に装着した心音センサで受信するマルチチャンネル心音計測を開発した。心音の伝搬経路の音速を考慮し逆問題の解法を応用することで、胸部の音速分布を再構成し、かつ点音源の位置が1点に収束するような計算アルゴリズムを確立した。 MEMS技術を応用した心音センサを開発し、8チャンネルのプリアンプ8台で心音を増幅後、64チャンネル同時受信可能なオーディオインターフェイスからPCに入力し、マルチチャンネル心音計測システムを構築した。体表に設置した心音センサから心音を受信し、その位相差から心音発生源を推定することで、胸郭内の音速分布推定に有用なデータを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胸部疾患の画像診断としては放射線を用いたCTがゴールデンスタンダードとして用いられているが、近年の新型コロナウイルス感染症における状況を鑑みると、CT検査室に移送するのは困難で、病室やICU内で簡便に胸部疾患をスクリーニングする手法が求められている。本研究では体表に設置した64個のMEMSマイクロホンを心音センサとして心音をサンプリングし、64チャンネル同時受信可能なマルチチャンネル心音計測システムを構築した。さらに、体表で受信した心音の位相解析に逆問題の手法を応用し、胸腔内での音速分布を画像化し音響CTの基礎を築くことで、在宅医療に貢献することが期待される。
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