研究概要 |
本研究の目的は,これまでまったく不可能であった溶液と接したナノクラスターおよび金属薄膜の化学状態分析やマッピングを実現する光電子スペクトル(XPS)や光電子放出顕微鏡(PEEM)を開発するために,その鍵となる光電子透過窓作製に挑戦することである.このために,以下の4つの点をおこなった(1)窓中を透過する電子の軌道計算(2)電子透過窓の試作とその性能チェック(3)既存のEXPEEM装置の改良(4)液体測定用セルの作製困難と考えられた電子線透過窓付き溶液セルの開発に成功するとともに,PEEM像取得に成功した.また,既存のEXPEEM装置の改造を行った.電磁場重畳型し,絶縁体サンプルにも測定ができるようにするとともに,ピンホールを正確に入れられるようにすることで,万が一の事故にも対応できるようにした.その結果,溶液存在下でのEXPEEM像の測定に成功した.
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