研究課題/領域番号 |
23K21750
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補助金の研究課題番号 |
21H03597 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 京都大学 (2024) 東京大学 (2021-2023) |
研究代表者 |
安原 崇哲 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (90757056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 染色体転座 / がんゲノム異常 / DNA修復 / 転写 / DSB修復 / R-loop / ゲノム安定性 / RAP80 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム中の転写領域では、R-loop構造とよばれる特殊な核酸構造を起点としてDNA二重鎖切断(DSB)を正確に修復する。この転写共役型DSB修復に関連する新たな因子として、ユビキチン鎖に結合する分子RAP80を同定した。RAP80のユビキチン化結合能によるR-loop構造の安定化機構を解明することで、転写共役型DSB修復機構によるゲノム安定性維持機構の分子メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
ゲノム中の転写領域では、R-loop構造とよばれるDNA-RNAハイブリッド二重鎖と一重鎖DNAからなる特殊な核酸構造を起点としてDNA二重鎖切断(DSB)を正確に修復する。これまでに我々のグループは、S/G2期において転写共役型相同組換え修復がこれらのDSBを正確に修復していることを明らかにしてきた(Yasuhara et al. Cell 2018)。しかしながら、静止期においてこれらのDSBがどのように修復されているかについては分かっていなかった。転写共役型DSB修復に関連する新た な因子として、データベースを用いたスクリーニングから、ユビキチン鎖に結合する分子RAP80を同定した。RAP80欠損細胞ではR-loop構造の不安定化によるゲノム異常の増加が示唆されたため、一重鎖DNA部位の挙動の追跡を行った。その結果、RAP80欠損細胞ではR-loop内の一重鎖DNA部位が不安定化していることが判明した。つまり、RAP80が一重鎖DNAの安定化に寄与することが示された。また、このRAP80によるR-loopの安定化は、特に細胞周期のG1期においてBRCA1, Polθ, LIG1/3などが関与する転写共役型末端結合(TA-EJ)を誘導し、DSBを迅速に修復していることが明らかとなった。これらのことから、転写活性化部位に生じたDSBはR-loopを誘導するが、R-loop内の一重鎖DNAはRAP80の機能によってヌクレアーゼから保護され、TA-EJが転写活性化部位のゲノム安定性に重要な役割を果たしているというモデルが考えられた(Yasuhara et al. Cell Rep 2022)。 今年度は転写共役型DSB修復に関連する因子のスクリーニングと、RAP80をDSB部位へ誘導する因子の同定を目指して研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転写共役型DSB修復に関連するいくつかの候補因子を同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
同定した候補因子について詳しく解析し、そのDSB修復における機能を解明する。
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