研究課題
基盤研究(C)
申請者はファージディスプレイ法によって抗Narita 104株(GII.4)ファージ抗体や抗Chiba 407株(GI.4)ファージ抗体を46クローン単離し、それらのうちの4クローンが、交差反応性抗体(GI 内交差反応性1クローン、GII 内交差反応性2クローン、そして、GI-GII 間交差反応性1クローン)であること、HuNoV のレセプター候補分子である組織・血液型抗原へのウイルス粒子吸着阻害活性を有していることを確認した。また、この4クローン以外の25のGII.4特異的抗体に関しても、組織・血液型抗原へのウイルス吸着阻害活性があることを確認した。
ノロウイルス感染症は冬季下痢症原因の第一位となっており、高齢者施設や学校、食堂での集団感染事例も多く、大きな社会被害をもたらすが、現在、有効な抗ウイルス薬やワクチンの開発は研究途上にある。健常人であれは予後は良いものの、ウイルスの感染力は強く、高齢者施設での発生は死亡者を出すこともあり、また、ひとたび院内感染が起きると、免疫抑制状態にある患者に慢性的な症状を引き起こすため、その対策が急がれている。このような状況下、中和活性のある抗ノロウイルス人工抗体を開発することは、ヒト血清につきまとう感染因子混入の危険性や倫理面の問題を回避しつつ受動免疫治療を可能にするため、意義のある研究である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件)
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