研究課題
若手研究(A)
ゲノム上で遺伝子が並ぶ順序は進化の過程で変化していくが、少数(~3%)の遺伝子の並びは左右相称動物の間で広く保存されている。この保存された遺伝子の並び(マイクロシンテニー)には多くの発生遺伝子(胚発生時期に発現する遺伝子)が含まれていることが知られている。私は脊索動物ホヤにおいてマイクロシンテニーを構成する遺伝子について網羅的に解析した。その結果多くの場合、マイクロシンテニーを構成する遺伝子の一方は胚発生時期に発現し、もう一方は胚発生期には発現しないことが明らかになった。またマイクロシンテニー内の遺伝子制御領域が互いに干渉しないようにするため、異なる性質のプロモーターが使われていることが多い。
本研究によって明らかになったマイクロシンテニーの性質は、ホヤのマイクロシンテニーに限らず一般的に遺伝子の並びにも共通する性質である可能性がある。つまり、遺伝子の発現制御領域が近傍の遺伝子の発現に影響を及ぼさないようにするための共通のメカニズムがあると考えられる。このような仕組みを解明することは、ゲノム進化における遺伝子の並びについての理解に寄与すると考えられる。
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