研究課題/領域番号 |
59440037
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石山 いく夫 (1985-1986) 東大, 医学部, 教授 (10082075)
石山 〓夫 (1984) 東京大学, 医学部, 教授
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研究分担者 |
金子 二郎 東京大学, 医学部, 講師 (90013763)
多田 富雄 東京大学, 医学部, 教授 (10009136)
輿水 馨 東京大学, 医学部, 教授 (90011866)
浦野 順文 東京大学, 医学部, 教授 (20009989)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1984年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | 急性心臓死 / ポックリ病 / ミオグロビン / 免疫組織化学 / 覚醒剤中毒 / 死の経過 / 虚血性心病変 / 刺激伝導系 / Langendorff法 / NMR / 一酸化炭素中毒 / 青酸中毒 / ヒロポン |
研究概要 |
急性心臓死は、法医学の剖検例において最も問題となる病因であるが、これを積極的に診断する方法として優れたものはない。この点については各種の特殊染色の他に、酵素化学的分析法が報告されているが、ミオグロビンについて酵素抗体法を用いて検査するという方法は他のものと比して迅速且つ確実な所見を与えるものとして期待されるところが多い。本研究においては各種の急死例についてミオグロビン染色を行ったところ、心筋梗塞例のみならず、一酸化炭素中毒、青酸中毒においても同様の所見が得られた。もっとも著明なミオグロビン脱落症は覚醒剤中毒、熱射病、高度の急性脳圧迫を伴なう脳内病変において顕著にみられることが確認された。これら症例にみとめられる病変はポックリ病のそれと極めて類似しているところから虚血性又は低酸素性心病変とは本質的に異なるものであることが考えられる。これらを動物実験で確かめるために猿やラットを用いて分析したところ、(1)一酸化炭素及び青酸中毒においては心病変は形態学的にポックリ病とは全く異なる。(2)ラットの心臓についてランゲンドルフの方法で潅流実験を行ったところ、一酸化炭素や青酸は心筋に対して極めて軽度な変化をおこすのみで、むしろ機能的な心筋活動の停止をおこす、といったことが判明した。そこで、ラットについて急性覚醒剤中毒を生ぜしめ、心臓について検査したところ、ポックリ病にみられるのと同様の脱ミオグロビン症が生じていることが判明した。こうしてみると、心臓に致死的所見を誘発するような因子も、実はそれより高次の神経中枢の障碍によって二次的に生じるものであることが類推されるわけである。尚、生物活性のある各種アミン類も急性死に関与している可能性のあることが示され、とくに覚醒剤の如きアミンも自然界において細菌作用によって生ずることが判明した。
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