研究課題/領域番号 |
62570093
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
弘中 哲治 帝京大学, 医学部, 教授 (90082099)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ザリガニ巨大神経 / グルコース / 静止膜透過性 / イオン機構 / 膜電位固定法 / 隔絶法 / ザリガニ / 巨大神経 / 静止膜イオン透過性 / 興奮性 |
研究概要 |
我々はグルコースがザリガニの巨大神経のNaチャンネルを抑制し、leakage conductanceを増大させ、静止膜電位を過分極させることを見出した(第8回国際薬理学会、1981)。これらの作用はいずれも神経細胞の興奮性を抑制する方面に働くものであり、一つ一つの作用は軽度のものではあるが、神経活動の興奮抑制の面において少なからぬ影響をおよぼすことが考えられる。特に、グルコースは血中に高濃度で存在し、時々刻々中枢神経に送り込まれていることから、高等動物の中枢神経系において神経細胞の興奮性の生理的調節を行なっている可能性が充分ある。 本研究はこのグルコースのleakage conductance増大作用におけるイオン機構をザリガニの巨大神経を用いて解明することを主な目的とした。2本電極による膜電位固定法で得られた結果については前年度の研究実績の概要で述べた。極めて微小なleakage currentを測定する実験であることから、細胞膜に電極を刺入しない、出来るだけin situに近い状態で実験を行なうことを試みた。隔絶法による膜電位固定法を採用し、本実験の目的に副うように方法の改良を行なった。1)隔壁絶縁部(vaseline)を長くとり、その中間にパラフィンプールを挿入することによりshort-icircuiting factorの改善をはかった。 2)外側のプールの膜の電位を、常法である、isotonic KC1で脱分極させる代りに膜を切開して細胞内人工液で充たす方法を考案した。殊に、後者の改良は膜を切開して細胞内電極を用いることなく良い精度で測定することを可能にした。Holding potentialを静止電位に近い-85mVとし、5mVステップのパルスを±20mVの範囲内で加え、流れるleakage currentを測定した。K^+をCs^+、Cl^-をmethylsulfateで置換した場合のグルコースによるleakage conductanceの増大の程度とコントロールにおけるそれを比較することにより、主としてK^+の透過性の増大に依ることが結論された。
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