研究課題/領域番号 |
63480353
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
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研究分担者 |
篠塚 敬子 帝京大学, 医学部, 助手 (30196399)
森恒 音羽 帝京大学, 医学部, 助手 (20182256)
菊田 好則 帝京大学, 医学部, 助手 (30129994)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 多臓器不全 / チトクロ-ム・オキシダ-ゼ / 近赤外線分析 / ヘモグロビン吸収 / 出血 / 組織酸素分圧 / 近赤外臓器分光光度計 / 出血性ショック |
研究概要 |
多臓器不全は組織の酸素欠乏により発生し、これを各種ケミカル・メデエイタ-が修飾すると考えられている。今回の研究により組織酸素欠乏がどのように生体内で発生してくるかをポ-ラログラフ法による組織酸素分圧の変動の測定により行った。これをさらに細胞内酸素環境の変化としてとらえて、各種ストレス時に分析した。近赤外線分析による比侵襲的方法を応用して、細胞内のチトクロ-ム・オキシダ-ゼを測定する方法を開発した。ラットをモデルにして出血ショック、酸素欠乏を起こして、この度合をいろいろ変えてみて、チトクロ-ム・オキシダ-ゼがどのように変化するかを見た。チトクロ-ム・オキシダ-ゼは細胞内酸素環境が異常になると酸化レベルが低下してくるが、ショックでは血流のセントラリゼ-ションのためにかなりこれが維持されていることがわかった。臓器により同じ侵襲を受けてもこの反応に差があることも明らかになった。組織酸素分圧測定のデ-タを裏付けする所見である。心停止による変化を見ると激的なチトクロ-ム・オキシタ-ゼの下降を示したのがわかったが、多臓器不全はこのような急激な酸素低下は未たさなくても、慢性に持続した時には同じような低酸素環境を招くものと考えられる。この状態でケミカル・メデエイタ-が生体内で放出・産生されると酸素欠乏による障損をさらに増悪することが示唆される。 ス-パ-・オキサイドの関与が言われているが、虚血、酸素欠乏により細胞膜が障害されると多臓器不全が発生する。このパタ-ンの基礎になるのが細胞内酸素環境の異常であるが、本研究により多臓器不全の病態生理の一端が解明できた。この障害が可逆性から非可逆性に移行するのはどのようなケミカル・メデエイタ-が関与した時かなど、今後の研究の展望が開けた。
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