公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
乳がんのがん抑制遺伝子として単離されたBRCA遺伝子は、DNA二重鎖切断修復に必須な機能を担う。この機能は増殖細胞にとって必須であるためBRCA遺伝子機能欠損が、女性臓器特異的発がんを引き起こすかはわかっていない。申請者は、エストロゲンがトポイソメラーゼ2型(Top2)酵素によるDNA二重鎖切断(DSB)を誘発し、BRCA1がこのTop2依存的に形成されるDSBの修復に関わっていることを発見した。本研究では、エストロゲンのDNA毒性を男性ホルモンであるアンドロゲンに大してもDNA毒性があるかを検証することを課題とする。この課題達成のために、アメリカNIHとスペインCNIO研究所の研究者と共同研究を行った。この共同研究の結果、アンドロゲン受容体前立腺癌細胞とTDP2ノックアウトマウスにおいて、アンドロゲンの強いDNA毒性が検出された。マウス乳腺では、BRCA1欠損によってエストロゲンのDNA毒性が増強したが、マウス前立腺では、BRCA1欠損によるアンドロゲンのDNA毒性は顕著に観察されなかった。一方で、Top2酵素によるDSB修復に関与するTDP2欠損マウスの前立腺では、エストロゲンのDNA毒性はあまりみられないが、アンドロゲンのDNA毒性が非常に強く観察された。2つ目の課題として、エストロゲン-Top2依存的に誘導されるDSBの場所をゲノムワイドに決定する予定であった。培養細胞を血清飢餓によりG0期に同調し、その後エストロゲンによる刺激によって導入されるDSBを、End-seq(世界最高感度のDSB検出法)により検出した。その結果、大量のノイズが検出された。がんに由来する培養細胞は、一般的にDNA複製中に大量のDNA切断が起きているという報告があり、血清飢餓にG0期に同調したときにコンタミした5-10%のS期の細胞が大きくノイズとして検出されたと考えられる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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