本研究では初期のがんの排除や、個体発生過程において重要と考えられる細胞競合現象について、Scribble欠損による細胞競合をモデルとして、分子メカニズムの解析を行った。まず、全自動ハイコンテントイメージアナライザーを利用して、細胞競合を定量的かつハイスループットに測定する検出系を構築した。それを活用しつつ、正常細胞とScribble欠損細胞の違いに着目した網羅的トランスクリプトーム解析、およびMAPキナーゼ経路に着目したcandidateアプローチにより、ASK1-p38経路に発現制御される液性因子がScribble欠損に誘導される細胞競合に必要であることを明らかにした。
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