アブラムシの体内にはブフネラという微生物が共生しており,必須アミノ酸を宿主アブラムシに供給している。また,ボルバキアという微生物の役割は多岐にわたっている。数種のアブラムシからもボルバキアが検出されているが,その役割は不明である。本研究で扱ったカシワホシブチアブラムシからはブフネラとボルバキアの両方が検出された。そこで,それらの役割を推定するための参考として,両微生物の季節による密度(個体数)変化を調べた。ブフネラには季節的な増減が見られたが,ボルバキアは季節を通して変化はなかった。ブフネラは植物の季節的変化から影響を受けているが,ボルバキアはアブラムシの栄養状態とは独立していると考えられた。
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