本課題では、物理場を含むシステムである分布定数系のうち、境界値を介して結合する複数の方程式によって記述されるものを対象とし、状態変換を用いた境界制御器設計法について考察を行った。まず、入力もしくは出力ごとに異なる遅れを有する線形時間不変システムに対して、遅れを表現する双曲型方程式とその境界値を含む常微分方程式による表現に基づき、安定化制御則およびオブザーバの設計法を導出した。次に、境界において結合している二つ波動方程式でモデル化されるシステムに対して、不連続性を利用した状態変換を用いて制御器設計法を導いた。最後に、2次元容器内の液面揺動について、単純な境界制御則が得られる設計法を提案した。
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