昆虫の免疫系は主として2種類に大別でき,細胞性と液性応答がある. 実際に,これら応答反応についてカイコ幼虫を低温麻酔した後,種々の接種源を注射して調べた.細胞性防御応答として,墨汁の注射後3時間目には血球の食作用活性が観察され,1日後では血球に墨炭素粒子の蓄積が認められた.液性応答である化学的防御についても,煮沸処理した大腸菌または大腸菌由来のリポ多糖 (LPS) を注射した幼虫を用いて調べた.寒天平板カップ法で体液の抗菌活性を調べると,注射後6-24時間目では安定的に抗菌活性が検出された.本研究結果から,昆虫の免疫応答は有益な教材として高校で受け入れられるものと考えられる.
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