腎線維化の進展において尿細管上皮細胞は重要な役割を果たしている。その主体となる分泌因子については全く不明である。TFF3(トレフォイルファクター3)は約7kDaの小ペプチドで、粘膜修復因子として、消化管のみならず、腎臓を含む全身臓器に分布している。慢性腎臓病(CKD)216名の検討では、尿中TFF3濃度はCKDステージの進行を有意に予測し、腎機能予後を予測する有用なバイオマーカーであることを証明した(Biomed Res Int 2018)。さらに、IgA腎症において腎組織TFF3のmRNA発現と腎線維化の程度が有意に相関することを明らかにした(Nephrology 2018)。
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