癌治療の治療抵抗性の原因とされる癌幹細胞を標的とする治療は、癌制御の点で効率的な治療である。肝細胞癌における癌幹細胞マーカーの1つであるCD13を標的とするUbenimexにて肝癌細胞株を治療したところ、抗癌剤のみ投与した場合に増加するCD13陽性細胞の割合が低いままであった。また、別の幹細胞マーカーであるc-Metと肝動脈化学塞栓療法(TACE)の関係を検討すると,術前TACE施行後に肝切除を施行した症例では,術前TACEを施行しなかった症例と比較して,c-Metの発現陽性症例の割合が有意に高かった。これらの結果より、癌幹細胞を標的とする治療は肝癌再発予防に繋がる可能性が示唆された。
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