研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、マウスの表現型(ヒトの病気の症状に相当)間の関係性について、これまでで最高品質かつ最大規模のデータを提示した。具体的には、345種類の表現型、60種類の生物学的機能で構成される、3,686種類の表現型間の関係性を提示した。さらに、これらのデータの理解を助けるために、345種類の各表現型について、例えば、「血糖値が異常であるとき、他にどのような表現型の異常が生じるか?」をノード(表現型)とエッジ(関係性)で表示することができるアプリを開発し、インターネット上で公開した。
バイオインフォマティクス
本研究で得られた、実験結果に基づくマウス表現型間の関係性のデータセットは、その正確性と網羅性でこれまでの報告を圧倒するものあり、哺乳動物の表現型間の関係性についての研究者間での共通認識のための参照用データセットして提示される。これらのデータセットは、ヒトの病気の症状の理解を深めることに役立つとともに、現在進展しているトランスオミックスの研究分野(遺伝子発現から病気の症状が現れるまでの、生体内分子を網羅的に調べる研究分野)でのフェノーム(病気の症状の総体)の参照用データセットとしての使用が期待される。