溜め池は本来,洪水緩和・水質浄化・生態系保全等の多面的機能を有しており,適切に保全し管理することにより,ジャカルタ水環境の改善または今以上の悪化を緩和することに大きく貢献することができると考えられるが,以前は1000箇所以上あったものが現在では300箇所程度までに減少している.ジャカルタの水環境をこれ以上悪化させないためには既存施設である溜め池の適切な管理と活用が,現状での対策として最も実現性が高いと考えられるが,管理主体となる環境コミュニティの形成が急務である.本研究では地域住民や現地研究者とともに優先度の高い溜め池を選定し,水質浄化・洪水緩和機能などから溜め池の有効性を検証した.
|