QSMを用い、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、パーキンソン病(PD)の深部灰白質の鉄沈着の違いを検討した。対象はMSA5人、PSP7人、PD17人と、年齢をマッチさせた健常者(HC)18人で、QSMで両側の黒質とその他の基底核(淡蒼球、尾状核頭部、被殻、赤核)の磁化率を測定し比較した。黒質の磁化率は、PSPがMSA、PD、HCよりも高値を示した(p<0.05)。尾状核頭部は健常者の磁化率値が最も高かった(p<0.05)。そのほかの深部灰白質の磁化率値には有意差はないもののPSPの値が高い傾向にあった。深部灰白質、特に黒質の磁化率はPSPのMSA、PDとの鑑別に有用である。
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