癌は国内外問わず死亡者数の多い疾患であり、様々な治療法が開発されてきた。しかしながら、既存の治療法を適用できないケースも多々あるため、新たな治療法の開発が求められている。そこで近年提唱されているのが腫瘍溶解性ウイルス療法である。我々が開発中の腫瘍溶解性組換え麻疹ウイルスの難治性癌に対する抗腫瘍効果が明らかになったことは、本ウイルス療法への臨床応用への有望性を支持する。さらに、本ウイルス療法に対する細胞側の応答性に着目してより効果の発揮しやすい癌の特性を明らかとすることで、基礎ウイルス学的知見を得られるだけでなく、臨床応用時の奏功率を上げることにもつながると期待される。
|