本研究では5HT1A受容体をオレキシンニューロン特異的に欠損させたox5HT1ARKOマウスを作出し、セロトニンによるオレキシンニューロン制御機構の生理的役割について検討した。5HT1A受容体が欠損しているオレキシンニューロンはセロトニンの抑制を受けず活動レベルを調節することが困難となるため、平常時ではNREM睡眠量が増加することを見出した。また、拘束ストレス負荷後にはオレキシンニューロンの5HT1A受容体の欠損によりREM睡眠量が増加することが分かった。これらの結果からオレキシンニューロンに発現する5HT1A受容体が平常時および拘束ストレス負荷後の睡眠量の調節に関与していることが示唆された。
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