本研究課題では次の研究成果を得た。(1)部下から倫理的リーダーシップを発揮していると評定される管理者の個人特性及び行動を明らかにすると共に,管理者の倫理的リーダーシップが高いほど部署の規定違反件数が低く,対人的及び組織的逸脱行動も少ないことを明らかにした。(2)リーダーの倫理的意思決定を促進するためには,リーダー自身のモラル・アイデンティティ(MI)が高いことのほか,組織の不正防止の取組が有効であることが示された。組織が不正防止の取組を行っている場合に限り,MIの高いリーダーほど自己利益を考慮しなくなることが示された。
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