アトピー性皮膚炎(AD)モデルマウスに慢性的皮膚炎を作製して免疫組織化学的に検討したところ、耳介毛包の感覚神経に感覚受容チャネル分子TRPA1の陽性反応を確認できた。次にADの治療薬やTRPA1阻害剤を投与したところ、ステロイドと抗ヒスタミン薬が有効だったが、TRPA1阻害剤にもある程度の炎症改善効果が認められた。このTRPA1阻害剤投与例ではTRPA1の陽性反応が検出できなかった。さらに、TRPA1阻害剤の軟膏と軟膏基剤の投与を比較したところ、ADの治癒率はTRPA1阻害剤の方が高い傾向が認められた。以上より、TRPA1阻害剤はADモデルマウスの慢性皮膚炎に有効な可能性が示唆された。
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