肝細胞癌の同一腫瘍内における脱分化に関連する糖鎖変化および糖転移酵素について、手術切除標本を用いて解析した。レクチンマイクロアレイでNPA、Con A、GNA、Calsepaの4種類のレクチンについて、脱分化に伴う有意な発現上昇を認めた。すべて高マンノース型糖鎖に結合するレクチンであり、その糖鎖変換に関連する酵素であるMGAT1について免疫染色を行ったところ、脱分化に伴い発現の減少を認めた。また、MGAT1の低発現は肝内転移を増加させ、予後不良の傾向があった。肝細胞癌の脱分化には高マンノース型糖鎖の増加と関連があり、それにはMGAT1の発現変化が関連している可能性が考えられた。
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