研究課題/領域番号 |
18H04057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小田 竜也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
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研究分担者 |
下村 治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60808070)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 糖鎖標的治療 / レクチン / 膵がん / 緑膿菌外毒素(PE38) |
研究成果の概要 |
膵癌細胞の最外層を覆う特異的糖鎖構造(Htype3)をBC2レクチンで標的する新規癌治療法の具現化を目指した。BC2に緑膿菌外毒素(PE38)を結合させたLDCは膵癌だけでなく、大腸癌、胃癌にも高い抗腫瘍効果があった。GMPグレードの製剤を製薬企業と共同で精製して純粋な3量体のLDCを得たが、腎臓、肝臓へのoff target 毒性が強くPE38を使ったBC2の人への応用開発は断念した。一方、Htype3のキャリアタンパクがCEAである事を明らかにし、BC2をドキソルビシンの標的性向上の修飾や、光免疫物質のキャリアに応用できる事も明らかにし、BC2レクチンの臨床応用への新たな道を開いた。
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自由記述の分野 |
腫瘍外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌細胞を標的する上で、最外層を覆う糖鎖層を狙う事が最も効率的であるはずだが、これまで糖鎖に焦点化した創薬研究はほとんど行われていない。まして、主に糖鎖の検出プローブとして体外利用しかされてこなかったレクチンを生体内に投与する薬剤キャリアーとして利用する試みは非常に挑戦的なものである。既存の抗体薬は動物培養細胞でしか生産出来ず非常に高価で国民医療費を大きく圧迫する経済的問題も大きい。それに対してレクチン医薬は、難治がんの代表である膵癌に対して、画期的な新規治療という医療効果が期待できるだけでなく、ポスト抗体医薬として、新しい安価ながん標的治療のプラットフォームとしての意味合いを有する。
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