本研究は、日本の現代の英語教育下における高等学校修了者(JLE)の英文法の習得状況を明らかにすることを目的とし、2回の実験(JLE160名と236名を対象に)を行った。1回目の結果として、JLEの英文法習得難易度順序は、先行研究が示した習得難易度と高い相関があり、第二言語習得環境下の英語習得と似た傾向を示すことが明らかとなった。2回目は、文法項目をさらに詳細に分類し実験を行った。結果として、同じ文法項目に属する要素であっても文脈によって困難度が異なることがあること、記憶力と密に関連する項目は語句ごとに誤りの割合が変わる可能性があること、さらに、母語の影響の可能性などが明らかとなった。
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