企業の生産技術の差異や市場における先導的な優位性の有無など、多種多様な企業特性が存在する。言うまでもなく、そうした特性は市場競争の結果に決定的な影響を及ぼす。むろん、そのような影響についてはこれまで数多くの先行研究で検討されている。ただ、そうした先行研究の多くが、企業間の特性に差異があることを前提として分析をしている。すなわち、「なぜそのような企業間特性に相違が生まれるのか』についてはあまり検討されているとは言えないのである。その相違を生む根本的な要因を探り、それが最終結果にいかなる影響をもたらすかを解明してこそ、本質が捉えられるといえるだろう。その本質をとらえる第1歩が本研究である。
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