植物が生産する二次代謝産物は複雑な構造をした化合物も多い。これらの生合成は一般的に細胞質内で行われ、その後液胞に運ばれて蓄積されると考えられている。しかし、一部の修飾反応は液胞で行われることが報告されているが、その例は少なく、植物種や化合物種によってどちらの反応系が用いられるかについては情報が少ない。本研究では、これまでに報告のなかったキンジソウや紫キャベツにおけるアントシアニンの糖や有機酸による修飾反応の後半が液胞移行型の酵素によって触媒されることを示唆した。これらのことは植物がどのようにして二次代謝経路を進化させてきたかについての考察の一助となると期待される。
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