フタホシコオロギは切断された脚を元どおりに再生できる。失われた器官の再生には再生芽の形成が必要であり、再生芽細胞は分化した細胞が脱分化した細胞であるが、再生芽の形成については不明な点が多い。コオロギの脚再生過程では、脚の切断により傷害された細胞に由来するデブリがToll受容体を発現するプラズマ細胞(昆虫のマクロファージ)に受容されていた。プラズマ細胞は創傷部位へと遊走してサイトカインを産生することでJak/STATシグナルを活性化させ、細胞増殖を亢進させて再生芽の形成を促進することを明らかにした。
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