日本の伝統医学である漢方は今や医師の89%が処方しており,現在の医療に欠かすことができない医療になっている。しかしその治療薬である漢方薬は,その原料の約9割を海外からの輸入品に依存している。長らく輸入品に依存しきた品目は日本には生産するための技術がない。また日本で生産技術が残っている品目も,従事者の高齢化など消失は時間の問題である。そこで筆者は日本で重要な生薬品目のうち,加工方法が異なる5品目に着目し,条件と品質の関係を明らかにする研究に着手した。安定した漢方治療の持続には生薬の安定供給は必須であり,本研究の意義は非常に大きい。
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