研究課題
基盤研究(C)
皮膚筋炎患者に特異的に検出される自己抗体のうち、抗transcriptional intermediary factor 1 (TIF1)γ抗体陽性例のモデル動物として、TIF1γ遺伝子組み換え蛋白を免疫することで新規の実験的筋炎モデルマウスを確立した。また、この筋炎が細胞傷害性T細胞によって惹起されていることやI型インターフェロンが病態に関与していることを証明した。つまり、患者より検出される自己抗体は疾患特異的ではあるが、病態は抗体ではなくT細胞免疫によって形成されている。
皮膚科
抗TIF1γ抗体陽性の皮膚筋炎患者は、小児であれば筋力低下が顕著であること、成人であれば内臓悪性腫瘍を合併していることが知られていますが、現状の治療としては、非特異的免疫抑制療法しか存在しません。本研究で確立したモデルマウスは、患者の体内で起こっている自己免疫機構を忠実に模しており、より効果的で、かつ悪性腫瘍治療の邪魔をしない、筋炎治療法の開発に貢献することが期待されます。