運動刺激は骨格筋内に存在する筋幹細胞、間葉系幹細胞(MSC)、免疫細胞を活性化することで、筋肥大や抗炎症作用を発揮することから、骨格筋の恒常性維持や再生に有効である。一方、慢性筋炎に対する運動刺激は炎症を助長し、骨格筋の線維化を悪化させるリスクがあるとされ、積極的な介入が難しい。本研究では、運動刺激に対するMSCの反応の違いを細胞・分子生物学的手法を用いて解析し、運動刺激による骨格筋の再生および線維化メカニズムの一端を明らかにした。さらに、培養細胞を用いた研究により、筋芽細胞および骨格筋由来線維芽細胞は周辺の炎症状態によってメカニカルストレスに対する反応を変化させることが明らかになった。
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