研究課題
基盤研究(C)
本研究では,頂点作用素(超)代数のモジュラー不変性と呼ばれる性質の証明に現れる一点関数の空間の定義に必要な種々のモジュラー形式の構成法について,これまでに知られていたものをより精密化した構成法を明らかにした.また,一点関数に付随して現れるモジュラー微分方程式の基本的な性質を,頂点作用素超代数の場合にも適用できるように拡張した.この結果を用いて様々な具体的な頂点作用素(超)代数やその捩れ加群上の指標の満たす微分方程式の具体型を計算することができた.
代数学
頂点作用素代数のモジュラー不変性は,数理物理学や整数論の観点からも興味深い対象である.本研究で得られた成果は,頂点作用素超代数の指標の理論やその指標の満たすモジュラー微分方程式の研究を行う際に有用であると考えられる.特に,頂点作用素超代数をモジュラー微分方程式を用いて分類する際には基本的な手法を与えるものであると期待される.