本研究ではテンソル圏を用いた頂点作用素代数の拡大理論を扱った。A1型レベル28の例外型共形埋め込みに対応するミラー拡大を経由して,テンソル圏の手法によって得られる頂点作用素代数の構成と解析を行った。二通りの構成法を比較することで,この手法で構成できる中心電荷24の正則な頂点作用素代数を同型を除いて8つであることを証明した。この8個の正則な中心電荷24の頂点作用素代数は,テンソル圏の見地からはすべて同じ標準代数に対応する。それらをフィボナッチ拡大でつなげていくことで,中心電荷が24の正の倍数の場合に,未知と思われる非自明な正則な頂点作用素代数の無限系列を構成した。
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