温帯地域では樹木の展葉フェノロジーは個体の生産性に直結するため、展葉フェノロジーの種間差を明らかにすることは重要である。本研究ではこれまで数多く行われてきた開芽時期だけでなく、葉の形質の季節変化パターンを通じた葉の成熟時期の種間差にも着目した。愛知 県豊田市の暖温帯二次林の林床に共存する常緑広葉樹 と落葉広葉樹の展葉フェノロジーを経時的に調べるとともに、定期的に葉を刈り取って葉の形質を調べることで、常緑樹と落葉樹の展葉過程を比較した。 この結果、開芽時期や葉の形質の季節変化には明瞭なパターンが存在しており、葉の被食されやすさの季節変化と対応していることが示された。
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