| 研究課題/領域番号 |
19K06141
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
|
|---|
| 研究機関 | 群馬大学 |
|---|
研究代表者 |
西村 尚之 群馬大学, 情報学部, 教授 (10387904)
|
|---|
| 研究分担者 |
小山 泰弘 長野県林業総合センター, 育林部, 育林部長 (00450817)
鈴木 智之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (20633001)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 亜高山帯針葉樹林 / ニホンジカ / 風倒撹乱 / 更新動態 / 景観スケール / 倒木処理 |
|---|
| 研究成果の概要 |
本研究は亜高山帯針葉樹林における風倒撹乱後の人為干渉の差異（風倒木搬出と風倒木残置）とニホンジカの出現増加が景観スケールでの林分更新動態に及ぼす影響を評価することを目的とした．老齢林分ではシカによる累積被害割合が急増するとともに樹木死亡率が高くなり，樹種による生残割合の相違から樹種構成が大きく変化した。地床に残存する倒木上に蘚苔類があると実生生残率は高く，倒木搬出林分では実生更新が制限されていた．シカの分布や動向と樹木被害とは関連性があり，シカの行動は餌となる林床植生の種類だけでなく林床の歩きやすさにも依存しており，さらに倒木搬出により拡大した草地が現在のシカの分布や利用頻度に影響していた．
|
| 自由記述の分野 |
森林生態学
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大規模風倒木搬出により形成された景観構造がニホンジカの分布・行動に与える影響とそれが樹木更新に与える影響に着目した本研究では，亜高山帯域で顕在化しているシカによる樹木被害が人為干渉と相互作用的にこれらの林分の更新過程に及ぼす要因を解明し，景観スケールにおける将来の森林構造の予測・評価から亜高山帯域の自然環境の保全対策を検討する資料を提供できた．特に，本研究課題の成果から将来更新不良または森林衰退が懸念される区域を予測することができ，主要構成樹種の更新特性とそれに影響する獣害要因に関する情報は，天然林の保全対策だけでなく、伊勢湾台風撹乱後に植林されたカラマツ林伐採後の施業にも不可欠なものである．
|
