研究課題
基盤研究(C)
摘出肺の24時間肺保存後、ventilation群では肺組織内のATP濃度が保たれていた。左片肺移植後の肺血管抵抗は、移植後1時間ではventilation群で他の群に比較し最も低くかった。肺移植後のp/f ratioもventilation群で他の群に比較して良好であり、wet/dry ratioもventilation群が有意に低く、移植後の肺水腫が軽度であった。左片肺移植後4時間の生存率もventilation群で有意に良好であった。CVLPにより肺保存中の代謝が維持され、安全なドナー肺の長時間保存が可能となることが示唆された。
肺移植
日本における肺移植は、まだ発展途上であり肺移植数は欧米に比較してまだ少ない。肺移植数は増加傾向にあり今後肺移植数が増加した時に、長時間保存できる方法が必要となる。Continuous ventilated lung preservation(CVLP)はドナー肺の長時間保存方法について新たな可能性を示したと言える。今後は、持続換気保存法が、DCDドナー(donor of cardiac death)などにも拡大されていくと考えられる。