本研究の目的は心疾患を対象として心肺運動負荷試験(CPX)に耳朶血流(EBF)という新しい指標を取り入れることで,予後や運動療法に関する新しい指標となりうるかどうかを明らかにすることである.さらにEBFを指標としたより効果的かつ簡便な治療法の開発を目指した.本研究により,運動耐容能の低い心疾患患者は運動負荷でEBFが低下することを明らかにした.最高酸素摂取量は心疾患の予後指標であることから,この結果はEBFが心疾患の予後指標となり得ることを示唆する.さらに健常者を対象とした予備実験を行い,42℃で20分間の下腿浴により,EBFは最大運動強度時と同程度の上昇を示すことを確認できた.
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