二つの課題を同時に行うと、一方もしくは両方の課題成績が低下する。この現象は二重課題干渉と呼ばれ、転倒や交通事故の一因になると考えられている。この二重課題干渉を抑制する方法として我々は、認知課題の有用性を追求してきた。本研究では認知課題が二重課題干渉を抑制する機序として、認知課題により誘起される脳活動の変化に着目した。 研究の結果、認知課題によって生じる右背外側前頭前野の活動の変化と二重課題干渉の抑制量に関係性を見出すことができた。今後は、背外側前頭前野の活動を指標として二重課題干渉の抑制効果に優れる認知課題を追求する、発展的研究の展開を想定している。
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