重症MRでは、弁輪を基準としたMVP容量は、左室拡大により減少したが、非逸脱弁尖を基準としたMVP容量と逸脱弁尖先端のMVP面積は、左室拡大でも減少しなかった。さらに、弁尖先端MVP面積はMR重症度と有意相関を認めた(R=0.72, p<0.0001)。高度左室拡大を伴った重症MVP例(重症MRを伴う)は、弁輪を基準としたMVP容量は減少する一方で、弁尖先端MVP面積は重症となり、MR重症度に合致した。本研究により、MVPに伴う重症MRの決定因子や病態の理解が得られ、外科的弁形成術やMitraClip時の治療ターゲットが解明し、治療へ貢献すると考える。
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