研究課題
研究活動スタート支援
2018年夏季に日本・韓国周辺で発生した猛暑について、ひまわり8号データを用いて地表面温度を高頻度で推定し、異常高温が起こっていた地域を抽出して解析した。植生域に関しては、ひまわり8号で推定された地表面温度の日変化の波形が植生ストレスによって変化していたことが分かった。都市域に関しては、猛暑時に大きく昇温する地域は熱慣性が低い(温度変化が大きい)特徴を持つ土地利用種だけでなく、標高や沿岸からの距離、つまり気象要素によっても影響を受けることがわかった。
熱赤外リモートセンシング
植生域の解析で得られた結果:ひまわり8号を用いた地表面温度の高頻度観測が、植生ストレスの検出に応用できる可能性を初めて示したものであり、森林・農地における「植生の健康診断」への貢献が期待できる。都市域の解析で得られた結果:猛暑で都市の熱環境がどれだけ悪化するかを、気温ではなく人間の体感温度に近い物理量である地表面温度で初めて調べた研究である。本成果は、今後地球温暖化によって発生頻度が増加する猛暑の影響が加わった際の都市の暑熱環境に関する重要な基礎資料となることが期待される。