紅色光合成細菌の反応中心(PbRC)、Photosystem II(PSII)、Photosystem I(PSI)では、光励起・電荷分離反応を介してエネルギー変換反応を行う。PbRC, PSIIにおける「(構造の)対称性の中における(電子の振る舞いの)非対称性」という疑問は、「PbRC三次元構造の決定」(ノーベル化学賞、1988年)によって鮮明に打ち出された。数年後のMarcusによる「電子移動反応理論への貢献」(ノーベル化学賞、1992年)といった有用な理論の出現もあった。本研究の結果は、これら基礎自然科学の長年の問いへの分子化学の観点からの解となる。
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