研究課題
基盤研究(C)
本研究では、日本の景気循環に関して、新たな統計モデルの構築と実証分析を行なった。まず、新型コロナウイルスの感染拡大による景気へのショックが、どれほどの大きさだったのかを寄与度分解を用いて、明らかにした。次に、日本の景気動態をモデル化するために、景気の状態で分布の歪みが変わる確率分布を適用した。これにより、景気後退期において大きく歪むことを明らかにした。さらに、地域別景気循環に関して、空間的波及効果や景気ウォッチャー指数と新規求人件数に関連性があることを明らかにした。
経済統計
本研究では、日本の景気動向や転換点について、統計モデルを用いて推定を行なっている。景気の特徴を示すことや景気の好況・不況がどのタイミングで起きたかを示すことは、学術的にも重要であるが、政策当局のみならず民間企業ひいては消費者においても重要な情報である。また、コロナ禍における日本経済の状況を定量的に分析することは、アフターコロナにおける経済政策だけでなく一般家計や企業においても有益な情報提供になりうる。このことから、本研究の社会的意義は大きいと考えられる。