イチゴの低温感応部位に関しては,クラウン部と考えられていたが,明確にそれを示すデータは少なかった.本研究の結果から,クラウン部であるこを明らかにした.また,イチゴの栽培では,休眠覚醒後の日長不感応期間は,寒冷地のイチゴ栽培では,大きな課題であったが,今回の成果は,クラウン部のみを加温することで,半休眠を維持することで,この課題を回避できる可能性を示すものである.そのため,これまで栽培できないとされた休眠覚醒に対する低温要求量の少ない品種でも,局所的な加温をクラウン部に実施することで,省コストで栽培できる可能性を示唆した.この結果は,寒冷地での新たな作型開発に貢献するものと考えている.
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