本研究はBLM蛋白が子宮内膜癌発生の初期から関与している可能性を解明することを目的としている。BLM蛋白の免疫組織学的発現を正常子宮内膜100例、前癌病変である子宮内膜増殖症15例、子宮内膜癌109例に対して行った。正常子宮内膜において、非閉経期ではBLM蛋白の発現が腺上皮で観察されたが、閉経期では半数以上の検体でBLM蛋白の発現が部分的に低下することが分かった。さらに、子宮内膜増殖症および子宮内膜癌においてもBLM蛋白の発現低下が確認された。これらは、BLM蛋白の発現低下と閉経期における子宮内膜癌発生増加との関連を示唆する結果である。
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