多様な生体機能に関わるTRPチャネルの一つ、TRPV1のマウス皮膚の創傷治癒における役割を解析した。Trpv1遺伝子欠損(KO)マウスと野生型(WT)マウスの背部皮膚欠損創を作製し、治癒過程を組織学的に評価した。その結果、KOマウスにおいて、創傷治癒遅延と再上皮化の異常を認めた。更に、NETs形成の亢進と、好中球性炎症の遷延化を認めた。以上から、TRPV1チャネルは、好中球性の炎症反応を制御し、マウス皮膚創傷治癒に重要である可能性が示唆された。また、マウス尾部慢性リンパ浮腫モデルの作成に成功し、この系を改良する事でTRPを含むシグナル系の関与についても今後解析が期待される。
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